BORG BORG 90FL

1ヶ月使ってみて感じる魔性レンズBORG 90FLのレビューと作例

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BORG 90FLを使い始めて1ヶ月と少し経ちました。1ヶ月経って慣れてきたこともあり、改めて作例とともにレビューしたいと思います。

写真はすべてBORG 90FL+OM-D E-M1で直焦点/マニュアルフォーカス撮影、三脚使用、RAWをLR5で処理しています。

トミーテック社のフラッグシップレンズ:BORG 90FL

BORG 90FLトミーテック社で現在販売されているレンズの中では最高峰に位置するフローライトレンズです。

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90FLの立ち位置

現在トミーテック社で販売されているフローライトレンズは下記の4本です。
・55FL(250mm、F4.5)
・67FL(300mm、F4.5)
・71FL(400mm、F5.6)
・90FL(500mm、F5.6)

35mm換算で250mmから500mmまで鳥撮りで必要とされる焦点距離がバランスよくカバーされています。私個人が使用しているのは上記4本のうち67FL/71FL/90FLの3本です。

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500mmという焦点距離のメリット

90FLを使い始めるまでは71FLがメインで、明るさが欲しい時(暗い水場等)、軽量な装備で出掛けたい時(長距離歩く、出張に持って行く等)、近い距離のトビモノを撮る時(関東だと江ノ島のカモメなど)で67FLを持ち出す、そういう使い分けでした。

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71FLの焦点距離、明るさ、解像力、抜け、コントラストがあればトリミング耐性が大変強く、90FLが発表されても正直食指は伸びませんでした。焦点距離だけで言えば「71FLで撮った写真をトリミングすれば対応できる」と思っていたからです。

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しかし実際に90FLを使い始めるとフルサイズ換算100mmの差は「こんなに大きいのか」と使う度に実感しています。私が使用しているカメラはマイクロフォーサーズのため、フル換算だと200mmもの差になり、71FLの換算800mmと90FLの換算1,000mmは「雲泥の差」とまでは言わないものの、はっきりと「鳥までの距離が近いなぁ」と感じます。

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では「近い」ことのメリットは何か。

撮影時においてはやはり「ピント合わせがしやすい」、これに尽きます。例えば解像度の高い鳥写真を狙える10m以内に鳥が入ってきた時、71FLだとE-M1の3-5倍拡大表示でも「こんなところか」という感じでピントを狙います。これで十分狙えるのですが、90FLで同様の距離、同様の拡大表示だと「ここしかない」というピント位置で、確信を持ってシャッターを押すことができます。それぐらいEVFを覗いている時から1本1本の羽毛がはっきり見えます。

端的に言うと「シャッター押した時の手応えが違う」です。

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距離が近ければ71FLでも67FLでも3-5倍拡大ではっきり羽毛が見えます。しかし、10-15mぐらいの「少し遠いな」という距離になると、5倍拡大でも少々物足りず、7-10倍拡大する時があります。ここまでEVFで拡大表示するとEVFの限界と相まって「ここしかない」という確信を持つまでには至りません。しかし、90FLの焦点距離だとこの距離で5倍拡大まででも「ここ」というピント面の位置を確信できます。

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90FLが向いていない場面

まず先に90FLのデメリットを書いておきます。私個人としては90FLで「手持ち撮影は無理」です。やってやれないことはありませんが、手持ちで撮ろうとは思いません。緊急対応でクィックシューから外して手持ちでトライすることはあるものの、一日手持ちで回ろうとは思いません。そのため三脚/一脚で撮影することが基本になります。

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手持ち撮影を諦めるということは私の大好きな「トビモノ撮影」も諦めることになります。今年のCP+で参考出品されていたカーボン鏡筒が製品化されれば90FLでも手持ちで回れる可能性はあると思いますが、現段階では90FLを振り回してのトビモノ撮影は諦めています。

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もちろんトビモノ撮影を止めるわけではないのでトビモノをメインで狙いに行く時は67FLか71FLを持ち出します。しかし今やすっかり90FLに惚れ、メインレンズになっているので、できれば毎回90FLでしっかり撮りたい。となると、今考えているのが「90FL+三脚」、「脇に67FLでトビモノ用」という2本態勢です。そのためにE-M1をもう1本買おうかとすら考えています。

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そこまでしてでも90FLで撮りたいほど気に入っていることと、90FL+三脚でフィールドを回りながらでも67FLのコンパクトさ、軽量さであれば2本態勢で回れるという67FLの存在感があります。特にミニボーグ鏡筒DX-SD【6011】と67FLの相性は抜群で、「軽くてコンパクト、でも操作感は抜群」という恩恵をもたらしてくれます。

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今やすっかりメインレンズの90FL

私は普通のサラリーマンのため鳥撮りは基本的に週末しかできません。2月後半に90FLを使い出してから現在まで鳥撮りの回数は25回、そのうち90FLで行った鳥撮りは19回です。実に76%の使用頻度です。なぜそこまで惚れるに至ったか、まだ1ヶ月少ししか使っていませんが、今感じている魅力を並べてみたいと思います。

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高い解像力

BORG=解像写真と言われるほどBORGレンズの分解能力は高く、BORGを選ぶ理由のトップだと思います。

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ただ個人的には鳥の一部だけをクローズアップした顕微鏡写真みたいなものには興味がないため、ブログでそこまでドアップにした写真はほとんど使用しません。↓こんな写真ですね。

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しかし、鳥写真においては解像していることは大前提と考えています。それだけを目的にするわけでは決してありませんが、解像していない写真を使うことはあまりありません。

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体の一部だけをクローズアップする写真はあまり使いませんが、チェックする時はとことん拡大表示してピントがちゃんと合っているか、解像しているかを確認しています。ピントが合う=解像写真になるという「わけではない」あたりが鳥撮りの難しいところです。

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90FLに限ったことではありませんが、いくつかの要素を押さえておくとBORGレンズは必ず期待に応えてくれます。

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個人的にシャープネスを強くかけた、いわゆる「カリカリ写真」は嫌いなため、極度に強くシャープネスをかけることはしません。LR5で言うとシャープネスの適用範囲パラメータが中間位置ぐらいまでで十分に綺麗な写真になります。

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BORGにしかできない「白と水の表現力」

これも90FLに限った話ではありませんが、コ・ボーグ含めて私が「BORG一徹」な理由はこれです。とにかく白と青の描写が恐ろしく綺麗。大画面のMac Retinaディスプレイで表示すると10秒ほど顔を動かせないほど、むしろ「画面の中に入りたい」と思わせるほどの描写を見せてくれます。

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鳥撮りを始めた頃から「白いものを美しく撮る」写真に憧れていました。身近な被写体で言うとコサギ、ダイサギ、ハクセキレイあたりです。

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嘴と足を除くと全身ほぼ真っ白。私は今までN社、P社、T社、S社の望遠レンズを使ってきましたが、こと白い被写体に関しては一度も満足行く写真が撮れたことがありませんでした。

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しかしBORGレンズはあっさり応えてくれます。順光の場面でも白い羽毛がちゃんと分解していて、気品すら感じさせます。これはBORGレンズにしかできない、まさに「オンリーワン」なレンズです。

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撮影時にいくつかの要素を押さえておくと、順光の白い被写体でもBORGはちゃんと写してくれる。しかし、いくらBORGと言えども、撮って出しでは個人的に満足行くレベルの写真にはなりません。今まで散々撮ってきましたが、撮って出しで「十分満足」という写真は実は一枚もありません。RAWできちっと編集してこその美しい白い被写体になります。撮影時のポイントは「露出調整(90FL+E-M1の組み合わせだと最低でも-0.7ev、普通は-1.0ev以下)」、編集のポイントは「ホワイトバランス」「露出」「ハイライト処理」「コントラスト」「明瞭度」「トーンカーブ」「シャープネス」「ノイズ処理」です。

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そして個人的「BORGの真骨頂」は「水の描写」です。67FLも71FLも、そして当然90FLにも「BORGのフローライトレンズには『透明』という色がプリセットされているのではないか」と思えるほど、思わずため息が出るほどの水の描写を見せてくれます。しかし、これもRAWでしっかり編集してこそです。ポイントは「ホワイトバランス」「コントラスト」「明瞭度」「露出」「シャープネス」です。

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比較的遠い距離でもしっかり写る

71FLとの大きな違いを感じたのはこれでした。あくまで「比較的遠い」距離です。10-15mぐらいです。

このハクセキレイは目視で15mほどの距離にいました。71FLだと基本的に手持ち撮影ということもあるのですが、ここまで羽を分解させるには相当気をつけて撮影する必要があります。90FLは三脚で撮影ということもありますが、普通の撮り方でしっかり写っていました。

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これはブログでも紹介しましたが、やはり15mぐらいの距離にいたキセキレイで、71FLだと「撮らなくてもいいかな」と思う距離です。ノートリだと、これぐらいの大きさにしかならない距離です。

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それが横2000pxまで拡大するとここまで羽毛がしっかり写っています。非Retinaディスプレイだと、さらに倍近く拡大できるので、もっと楽しめると思います。

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明るい

上記の「15mぐらいでもしっかり写ってる」というのはフィールドを回っていて感じた大きなメリットです。一方で90FLを手に初めてフィールドに出た瞬間から感じたのが「このレンズ、明るい!」というメリットでした。

明るい場面だとSSが上がり、被写体ブレを起こしにくいというメリットがありますが、それは暗い場面でも威力を発揮します。

このコジュケイを撮ったシーンでは小雨が降るような天気で、しかも水場のため晴れていても暗い場所でした。

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E-M1の優秀な手ブレ補正の力もありますが、90FLの明るさあっての威力発揮です。厳密な比較はしていませんが、長い間71FLを使ってきた人間からすると、同じ状況でも90FLの方が明るい(SSが速いorISOが低い)ように感じています。500mmという長玉、91mmという大口径でこの明るさは驚異的です。

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微細にして繊細

「カリカリ写真は嫌い」と書きましたが、これも「オンリーBORG」な点が「決してカリカリではない」、「細い羽毛がとても繊細に、優しく写る」ということです。

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90FLは67FL/71FLに増して、凄みすら感じるほど繊細に写ります。ただ全部が全部というわけではなく、注意して撮影し、さらに一定の条件が揃い、その上できちっとRAW編集してという段階を踏んでこそになります。このいくつかの要素が重なると「すごいよ、BORG」と思わず声をかけたくなるほどの描写を見せてくれます。

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RAW耐性

これもBORGレンズに共通するメリットです。特に90FLは被写体をぐっと引き寄せて撮れることから、RAW耐性が高いことはRAW編集において大きな強みになります。

度々本ブログでもRAW編集の大切さには触れています。とある写真家も「撮影技術が50%、RAW編集が50%」と言っているように、写真を個人的レベルでも「作品」に仕上げようと思うとRAW編集の比率はとても高くなります。

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メーカーレンズを使っていたけど満足できない。だからBORGを買った。頑張ってみたけど、やっぱり満足行く写真が撮れない。こういう流れでBORGから離れていく人を何人も見てきました。残念だなぁ、もったいないなぁと、いつも思っていました。

素材としての「撮影したままの写真」は、BORGを使って、撮影時にいくつかの注意点に気を付けると、しっかり写っています。それを本人が望む写真に仕上げるにはRAW編集は避けては通れません。その理由と編集テクニックは本エントリーの趣旨ではないので割愛しますが(この件については別途考えていることがあります)、RAW編集をする時「BORGで撮った写真は粘ってくれる」点が大きなメリットになります。すなわちRAW編集耐性が高いということになります。

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特に私は白や青という色が好きで、明るい写真が好きなため、ハイライト側の編集作業が多くなります。この時BORGレンズで撮った写真だと、かなりのレベルまで粘ってくれる、つまり「飛ばずに階調を残してくれる」ので、表現の幅が格段に広がります。実際「まだ白トビしないの?」というぐらいまで粘ってくれます。

アクセサリーについて

90FL自体の話ではありませんが、マイクロフォーサーズだとフル換算1,000mmにもなる90FLレンズでは撮影時の機材アクセサリーも重要になります。

私は今レンズ側から90FL+M75絞り+BU-1+MMF-1+E-M1という構成で撮っています。晴れていれば絞りを目盛り62.5にしてF8相当で撮っています。ここまで絞っても90FLだとISOを3桁にしてなお、SSは余裕で3桁〜4桁出ます。

絞りは「ピント面位置の保険」というよりは「なお繊細に」という表現力のために使用しています。開放でも十分優しい描写を見せてくれますが、少し絞ると思わず唸るほどの繊細な描写を見せてくれます。

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90FLを使う時鏡筒をドロチューブにするか(製品名:「BORG90FL(BK)望遠レンズセットA【6291】)、BU-1にするか(製品名:BORG90FL(BK)+BU-1セット【6190】)は悩むところだと思います。結構価格差がありますからね。

90FLに関しては望遠レンズセット(ドロチューブタイプ)を使ったことがないので比較はできませんが、個人的にはやはりBU-1の方がオススメです。今BU-1を使っていて不満を感じたことがありません。以前ブログエントリーで「90FLに限らず、BU-1が発売された当初から使ってみたいアクセサリーだった」といったことを書きましたが、想像通りの使い勝手で非常に使いやすいアクセサリーです。

望遠レンズセットに比べて「多少重くなって、高い」というデメリットがありますが、三脚前提で回る90FLなので少々重くなっても問題になることはまずないでしょう。メーカーの仕様表を見ると300g増えるだけです(望遠レンズセット:2.0kg → BU-1セット:2.3kg)。

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そしてここまで来たら、ぜひMMF-1を使いましょう。BORGにおいては必須アクセサリーではありませんが、「昨日までの撮影はなに?」というほど劇的に操作性と歩留まり率を向上してくれます。

例えて言うなら、ノートパソコンで画像編集する時に「マウスなしでトラックパッドだけでもやってやれないことはないけど、マウスがあると劇的に操作向上する」みたいなものです。iPadで文章書く時にBluetoothキーボードを使う感覚とも言えるかもしれません。

それとMMF-1を使うことで(+私の場合絞りを挟むことで)、無限遠が結構ギリギリになりますが、メーカー仕様表にある「最短撮影距離:約4m」を余裕で超えることができます。4m以内に入ってきてもBU-1のヘリコイド、ドロチューブおよびMMF-1を目一杯伸ばすことで2-3mの位置でもピントを合わせられます。

写真だけではない、色々なモノを与えてくれるBORG

最後にまとめとして。BORGを使い続けてきて、特に71FLと90FLを使っていて感じているのは「写真だけではない。人生を激変させてくれた」レンズということです。

BORG日記の方で今年年初に抱負を書きました。昨年から続いていて、今も継続中ですが、この「スーパーリア充」な生活、人生を与えてくれたのはBORGです。

週末しか鳥撮りできないサラリーマンでありながら、平日の仕事においても、夜帰宅しても、そして当然週末を迎えても、ずっと「体の中から『生きる楽しさ、エネルギー』が抑えられないほど溢れ出てくる」状態が続きます。

サイボーグじゃないので、バイオリズムやその時の状況によって勿論落ち込んだり無気力になることはありますが、BORGを使う前と比べると年間通してそういった状態は格段に減っています。

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BORGで鳥撮りをしていると楽しみは撮ったその日だけではありません。数ヶ月、数年経ってから当時の写真を見直すと「あの時の鳥は今どうしてるかなぁ」と当時の状況に一瞬で引き戻されます。これぞ鳥撮りの最大の楽しさだと今になって強く思います。BORGで鳥撮りをしていて良かった。心から実感する瞬間です。

90FLは71FLをも凌ぐ、そんな人生の相棒になる予感がしているレンズです。

90FLに感謝。素晴らしいレンズです。

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参考リンク
トミーテック社公式サイト
BORGセット製品ラインナップ
BORG90FL(BK)望遠レンズセットA
BORG90FL(BK)+BU-1セット
絞りM75【7075】(90FLでも使用できます)
MMF-1【9857】

絞りもMMF-1も決して安くはないアクセサリーなので、順番にグレードアップするなら個人的には「MMF-1」→「絞り」の順がオススメです。

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